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季節を楽しむ住まい

今回は生活と周辺環境との関係について考えてみようと思います。

皆さんご存知のように日本国内においては北海道だけが「亜寒帯(冷帯)」に属しています。

本州以南にお住まいの方は「亜寒帯」「冷帯」などと聞くと「寒い」イメージが先行して、暮らしに関してネガティブな思考になりがちですが、実際に北海道で暮らしている皆さんはいかがでしょうか。

やはり北国の四季の美しさは、国内の他地域では体験できないすばらしい豊かさを持っていますよね。
こんなすてきな環境がまわりにあふれているのですから、それらと住まう人が積極的にかかわりを持てる家づくりをしたいと私は考えています。

積極的なかかわりを持つといっても様々な方法がありますよね。
周辺の環境だって、木々の生い茂る森のようなところから、建物に囲われた都市的な地域までさまざまです。


せっかく大きな窓を設置しても道路に面してると、なんとなく人目が気になって常時レースのカーテンを閉めてしまったりしませんか。
ここでは道路に面した大きな窓と、外壁と一体化した木ルーバーとの間に半外部空間を設け、道路からの視線をカットしつつ内部への光、通風などを確保しています。



旭山動物園のアザラシ水槽みたいですね。
実はリビング中央に設けられた光井戸です。
一見、室内のように見えますが、水槽の中は外部空間です。
ですから光はもちろんのこと、雪や雨がこの中を通り抜けて行きます。
北海道の雪は乾燥したパウダースノーですから、水槽の足元から軽く風が吹いただけで「クリオネが舞うような」美しい雪のエンターテイメントを見ることができます。
このように普段見慣れた環境を、例えば「切り取って眺めてみる」だけで、そこに普段気づかなかった美しさを見つけることができるでしょう。



車好きのクライアントのために設計した住宅です。
ガラス張りの車庫がリビングに接した「車好きの家」というのはよくあるのですが、せっかく四季の美しい北海道に建てる住宅なので、ここでは車庫とリビングの間に季節(中庭)を挟み込もうと考えました。
つまり、リビングから吹雪越しに車を眺めたり、落ち葉が舞うその向こうに車を眺めようという趣旨です。
その方がいつも車の見え方が変化し、停まっているのに動いている、そんな感覚で大好きな車を眺めることができるのではないかと思ったのです。
中庭には薄く水が張られたパティオがあり、例えば雨が降れば美しい波紋が拡がり、風が吹けば揺らぐ水面に反射した陽光がリビングの天井に反射するといった具合に、外部環境の変化や美しさを視覚的に強調して分かりやすく室内に取り込む装置になっています。



JR駅近くの住宅街に建つ住宅です。
便利な地域には当然建物が密集してきます。
こうした地域では、窓を開ければ「汚れた隣家の外壁」が見えるのが普通です。
でも、窓から見える外壁が汚いから塗装をして下さい、なんて隣人にお願いすることはなかなかできませんよね。
ですから、この住宅では自宅外壁の一部を利用してリビングの前に囲われたテラスを用意しました。
このテラスは隣家の壁と違い、住む人の好みに合わせて自由な演出が可能です。
このテラスに面する窓の大きさや高さなどを調節した設計をすれば隣家からの視線をカットしつつ外部環境と生活を積極的に関係付けることが可能です。



恵まれた自然環境に面した住宅です。
細長い敷地の一番奥には、谷間に生い茂る樹木の陰に陽光きらめく川を望むことができます。
車通りの多い前面道路から、川を擁する谷に至るまで異なる材質で仕上げられた3つの箱が並んでおり、その中を川に面したテラス・リビングに向かう小道が貫いています。
一見、廊下が長く無駄なスペースが多いと思われがちですが、私はこの廊下が別荘のようなリビングに、日々家族を導く大切な空間だと考えています。
川を見る・感じるという単純な行為も、そこに至るまでのプロセスの違いによって大きく印象が変わるのです。


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2010年01月22日 16:19に投稿されたエントリーのページです。

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