![]()
「大は小を兼ねる」という言葉がありますが、住まいにおいては逆に「小は大を兼ねる」あるいは「小は大を凌駕(りょうが)する」ということもあると私は思っています。
建物には、実際の量的な広さや高さとは別の感覚的な広さがあり、小ささそのものが快適で落ち着くということもあるからです。
ほとんどの家庭で「お客さんが30人」という想定は不要ですし、コンパクトな住まいは建てる時の材料消費や建った後のエネルギー消費も当然少ないのです。
私は、車で言えば、小さくて小気味の良い走りをするヨーロッパのコンパクトカーのような住まいを作りたいと思っています。
これから紹介する住まいは、どれも広くない敷地に建つ、床面積も小さめの住まいです。
量的に「小さいこと」を どのように快適さに結び付けようとしたかをお話しします。
![]()

吹き抜けに面した西側に大きな窓をつけました。
南側は計画当時空き地で、もし今後、南に家が建つとすれば敷地ぎりぎりに建つはずです。
したがって南側に期待するのをやめて、遠くに美しい保存林のみえる西側に窓を集中させました。
吹き抜けは2階のこども室ともつながっています。
窓のそとには、中庭があります。
居間、風除、離れの和室は中庭に面していて、夏は居間の延長として、冬は雪見酒のための風景としてそれぞれ違った風景をもっています。
中庭は開放感と外部との一体感を生むための最も大事な空間です。
下の左の写真は、「離れ」から見た中庭です。この「離れ」は土間付きの和室であり風除室でもあります。
この住まいには 普通で言う「玄関」がありません。
下右の写真は同じように、浴室、洗面、トイレ それぞれのスペースを無理してとらずに、一緒にしました。
明るくて広く見える気持ちの良い空間です。

![]()


二方向が道路に面した角地にある住まいで、奥行きが長く、幅がせまい敷地です。
2階南側の壁を手前に引っ込めて、庭を造りました。
将来、向かいに3階建ての家ができたとしても、この庭から室内に日が入る設計です。
お隣の家や道路からの視線は木の格子(こうし)でさえぎっています。
この庭は風除の階段と接続しているので、靴をはいたまま外と行き来でき、2階にある縁側のような使い方をしています。
広さは8畳弱しかありませんが、格子や周囲の壁を低くしているので、開放感があります。
リビングからこども室まで、引戸をあけると一体化します。
端から端までは15メートルあるので、実際の広さよりもかなり広く見えます。
幅が狭い分、奥行きを感じさせる形です。
![]()


リビングやダイニングのスペースはあまり大きくありません。
そのかわり、林に向かってどこからでも視線が抜けるように窓をつけています。
特にリビングからダイニング、バルコニー、林と抜けていくことで、かなりの奥行きを感じます。
冬、林が落葉するとまた違った景色をたのしめます。
3つの住まいを見てきましたが、どの住まいも、外の空間を内部に取り込むことで、広さを感じるようにしています。
窓は大きければ良いわけではありません。
周囲の視線や西日などをコントロールできなければカーテンやブラインドをつける必要があり、外との一体感や開放感はなくなってしまいます。
室内の広さはそこそこで良い、むしろ小さめのほうが、開放感と落ち着きの両方を手に入れることが可能かもしれません。
弊社へのお問い合わせ、お見積のご依頼はこちらからどうぞ。
お問い合わせ、お見積


