家のトラブルはさまざま。
ここでは、特徴的な住宅のトラブルを部位ごとにご紹介します。
壁:ヒビが断熱材にも影響

外壁の材料にかかわらず、壁のヒビやはがれなどの欠損は、外壁だけでなく、その中の下地材、さらには断熱材にまで深刻な影響を与えている場合が多いものです。
このお宅のように下地がすっかり腐食している場合などは、地震などで建物に重大な影響が出ることも少なくありません。
ヒビの原因やはがれの原因もさまざまなので、「外壁が傷んできたから塗装する」「モルタルの上にサイディングを張る」という見た目を良くする工事ではなく、見えない部分の問題を解消し、見た目もきれいにするというほうが、何倍も安心して快適に暮らせるのです。
1.モルタル仕上げの壁にヒビが入っています。
ここだけではなく、外壁全体に亀裂や建具との間のコーキング切れなどが見られました。
2.モルタルをはがしてみると、下地の木材にも水が回り腐食していました。
特に窓の下から縦に腐食のひどい部分があり、断熱材もカビています。
ここを水が伝っていたことがわかります。
3.隅柱(すみばしら)の部分も全体が腐食していました。
床:床下結露

[1]は基礎部分に防湿シートが張られていなかった、築2から3年ほどのお宅です。
地面からの湿度で基礎部分がかなり結露していました。
[2]と[3]は築28年のお宅です。
長い時間、湿度が溜まり続けると、結局は大きな木下地さえも腐食させてしまい、改修工事はかなり大がかりになってしまいます。
住んでいる方が毎年きちんと床下もチェックしていれば、ここまでのことにはならなかったと思います。
1.床下点検口から基礎の内部をのぞいてみると、いたるところに水滴がいっぱいついています。
2.床下に湿気が溜まり、大引(おおびき)などの木下地が腐食してボロボロになってしまいました。
3.痛んだ大引を交換するために、外に出したときの断面です。
腐食が木材の内部にまで進んでしまうと、どんなにボロボロになるのかがわかっていただけるでしょう。
天井:通気が大切

ここでは、新築の施工時に軒天部分に張られた表面のボードには換気のための穴があいていましたが、捨て張りのボードに穴があいていないという施工ミスがありました。
そのため小屋裏に溜まった熱や湿気が出口を失い、結露となって木下地を傷め、軒天のボードを腐食させ、結果的には築20年目にして、このような状態になってしまいました。
住宅には気密だけでなく、通気もとても大切なのです。
このように大事になる前に発見するためにも、天井点検口から天井裏や小屋裏をのぞいてカビのニオイがしないか、シミがついていないかなどをチェックしてください。
最低でも1年に1回、できれば夏冬に1回ずつチェックしておくと安心です。
1.外部の軒天(のきてん)の部分に張られている、ボードがはがれ落ちています。
2.その後、捨て張りのボードもはがれ落ち、軒天部分に穴があいてしまいました。
3.小屋裏をのぞいてみると、水滴やカビがびっしりでした。
■住宅診断士からのアドバイス■
「見た目にだまされないことです」
「見た目にだまされるな」という言葉は、いろいろな場面でよく聞く言葉ですが、住まいのトラブルでもこの言葉は大きな意味を持っています。
例えば、天井に水のシミのようなものができたとき、あなたはどう思いますか?
ほとんどの人が「雨漏り」もしくは「すが漏り」と思うのではないでしょうか。
この場合、過去の経験から得た知識やその場で見えている「現象」から、当てはまる事柄を探して予想しているだけで、建築の専門知識が無い場合の多くではこの予想は外れ、ましてやその「現象」を引き起こしている「原因」にはたどり着けないことがほとんどです。
建築のトラブルを解消するということは、「現象」から「原因」を探り当て、適切な対応をすることにあります。
「小さなシミだから」「細かい亀裂だから」と見逃さず、専門家に相談してその原因を探し、適切に早めの対処をすることが家を長持ちさせることにもなります。
築10年目が1回目の大きな節目で、ここで外壁や屋根の塗装や手入れをしておくか否かで、20年目に現れるトラブルを抑えられるかどうかの分岐点といっても過言ではありません。
弊社へのお問い合わせ、お見積のご依頼はこちらからどうぞ。
お問い合わせ、お見積


