
インテリアという概念がいつできたか。
それはまだ人類が洞窟(どうくつ)で暮らしていたときの壁画、それがインテリアの始まりという話を聞いたことがあります。
また、ヨーロッパの石造りの建物では、冬になると室内の壁面が寒いため、その寒さ対策に壁の内側に布をかけて寒さをしのいでいたようです。
これがタペストリーへと進化したのだと思います。
いずれにせよ、見栄えが目的ではなく人が暮らすために必要な機能を満たすことが、もともとの目的だったのですね。
現代でも暑さ寒さ対策、風や日光の取り入れ方などは、人が暮らすための機能として、とても重要なテーマです。
しかし、研究が進み、技術力も持った今日、私たちはそれ以上のものを望むようになってきています。
最近の建物を見ると、どんどん不便が少なくなってきているようです。
部屋の中の段差を無くしてバリアフリー仕様にするというのが代表でしょうか。
これは、家の中でのケガを減らす効果があり、生活しやすさを高める有効な手法です。
しかし一方で、積極的にインテリアに段差を設けるなど、空間に変化を付けることを楽しむこともできます。
段差というのは、気がつかないときにつまずくものですから、はっきりと認識できる段差であればつまずくことは少なくなるでしょう。
プランとして多いのは、フローリングの居間と、障子で仕切られた畳の部屋がつながっているものです。
これは建築基準法の関係もあってこのようなプランが多いのですが、その境目の段差が最近の住宅には無くなってきていることが多いです。
しかし、畳の部屋の床を居間より35cm程度高くすることで、一度35cm高くなった部分に腰を掛けてから、畳の部屋に入るということができます。
また、畳の部屋の床下を収納空間として利用することもできて、より便利になることだってあります。
さらに、天井の低い部屋があることで、天井の高い側の部屋がより開放的に感じるという効果も期待できます。
不便を無くすように設計された部屋や設備機器が、自分にとって必要かどうか考えてみてください。
今、健康で不自由のない生活ができているが、数十年後、身体が不自由になった時のことを見据えて設計するべきか、または転売も考えてバリアフリー仕様を取り入れるべきか。
特に最近の設備機器には便利な機能が多く、魅力的に感じるものですが、そこにかかる費用を他に使った方が幸せになれることもあるはずです。
極端な例ではありますが、キャンプを考えてみましょう。
都会を離れ、自然の中にテントと炊事道具なんかを持って出かけるあのキャンプです。
家での生活と比べて不便がたくさんですが、あえてその不便を楽しんだり、便利さに勝る良さがあるからこそ、出かけるはずです。
ただ、こんな話をするからといって不便な暮らしを推奨している訳ではありません。
過剰な便利さが不要な場合も多々あることを考えてもらいたかったのです。
人生の中でもインテリアと接する時間はとても長いですから、できるだけインテリアで暮らしを楽しむことができれば、それに超したことはありません。
もし、あなたが暮らしたいインテリアに対するイメージが漠然としているなら、それを具現化して実現させるのはインテリアプランナーの仕事です。
住まいに必要な機能を満たすことだけでなく、そこに住まう人が“暮らしを楽しむ”ことを大事に考えます。
たとえば、中古マンションの購入を考えているが、リフォーム済マンションにそのまま住むのは味気ないので、何か良いアイディアは無いかという場合には、お役に立てるでしょう。

たとえばこのプランのように、1人暮らしを想定して部屋の仕切をなくし、ワンルームのよう広く使うが、ベッドルームだけは隠せるように、ブラインドで仕切ることができる、というプランもあります。
見せる棚と隠す収納を設けることで、なにかと雑然としがちなインテリアをいつもスッキリ状態に保てます。
インテリアに関心の高い人の場合、既成の部屋では満足できないことが多いのではないでしょうか。
暮らしを楽しむことを目的にするとインテリアの可能性はもっと広がるでしょう。
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