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敷地条件で住宅のかたちを考える

以前は工場などが立ち並ぶ運河に面し、北側に運河、南側に道路と2つの間に挟まれた、南北に奥行きのある敷地形状と、運河の防波堤の高さが1.5Mあるというこの敷地条件での住宅のかたちを考える。
設計を進める上でまず始めに考えたことは、「運河を暮らしの中に取り込めないか?」ということである。


建物全体は室内温熱環境を考慮してワンボックスとして、構造的には巾6Mに対して1Mピッチで化粧梁と設けてカルバートのような南北面を開放した架構とした。
中央部分の階段で空間を南北にセパレートして、北側=運河側に2層吹き抜けのパブリック空間、南側=道路側に水廻りや個室であるプライベート空間を配置して、空間の強弱や明るさを考慮した。


1階床高さは防波堤に合わせて高床することにして、運河まで繋がるテラスデッキを設けることで、水辺の楽しい外空間をつくることができたことはもちろん、コンクリートで立ち上げられた1階高床の基礎部分は、建物の最下階として積載荷重が最も負担がなくできる「ストアールーム」としてすべて倉庫として収納力を拡大させた。
階段上部のトップライトや東西壁面に反射した光が、様々な角度から運河に面したパブリック空間に差し込んでくることで、単純な空間を複雑に陰影によって変化させている。



正面からは見えづらい運河に向かって船出するようなかたちのこの家へのアプローチは、桟橋をイメージしたブリッジデッキで上がりながら導入する演出をつくり出している。
また、空間の質も決めるもう一つの内部の仕上においては、床はアイアンウッド材、壁は自然漆喰塗料、ワックスは蜜蝋、外壁は外断熱工法による厚い壁の重複層と、すべてにおいて人に負荷のないやさしい素材を選定している。
様々な知恵や工夫を積み重ねことで、豊かな暮らしを創造する家の質になることが、設計の喜びである。


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2009年07月21日 13:01に投稿されたエントリーのページです。

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