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2009年06月 アーカイブ

2009年06月01日

みんないつの日か戻ってくる、育った土地が呼んでいる!

以前に、1本の電話をもらいました。

「チョット土地を見てもらえるかな?」
 
木材関係の会社の方で、20年来、木製窓の共同開発をしていた方です。

「どうしたんですか?」

「いや、チョット気になる土地があったもので」

「ハイ」
 
ということで向かいながらお話をうかがいました。
 
『ずうっとマンション住まいをエンジョイし、子供達も独立し、さあ、これから夫婦共々、今まで以上に羽を伸ばそうと思っていたのだけれど、子供たちの帰ってくるところが《マンション》というのがどうしても気になって、思い切って土地をさがす気になったんだよ』
というのが、話の概要でした。
 
その敷地はの父上の住まわれていた土地でしたが、
「私はマンション住まいが気に入っているので、家を建てる気はありませんから」
と売却したのです。
そんなことがあったので、その心境の変化に驚きましたが、一方では《自分自身の家づくり》のことを思い出しながら、共感するところもあったのです。
 
私の場合、3人目の子供を授かり、アパートも手狭になり、『そろそろ・・・』と思い立ったのがキッカケのつもりでしたが、本当のところは、出張続きの当時、アパートに帰ってシャワーを浴びて事務所に行くときに、『こんな生活を続けていて、いいのかなー?』という気持ちが大きかったような気がします。
それを、《子供たちのために》とすり替えていたことに後ろめたさを感じていたのです。
 
《帰るところをつくる》というのが、《共通の目的》という共感です。

たくさんの家を設計させてもらいました。
ということは、たくさんの方たち家づくりに参加したわけです。
ある時は、火事に見舞われ、《思いもよらない家づくり》を強いられた方もいらっしゃいました。
その時は、事務所を原寸大の模型に見立て、大急ぎで設計しました。
引きこもりのお子さんのための家でしたが《本人と会えない家づくり》もありました。
この時ほど、いつもの打ち合せの有難さを感じたことはありませんでしたが、想像力を駆使し、家族の気配が伝わるよう、子ども部屋を中心としたつくりにして乗り切りました。
 
『子供たちを自然の中で育てたい』と札幌から蘭越に引越し、敷地探しから参加した《雑木林の中の家づくり》もありました。
周囲の雑木林と調和する家づくりを心がけ、家の外側に40メートルの「ガンギ通路」をつくった家です。
ご家族と敷地を選ぶ過程で、設計が決まっていく醍醐味を共有できたのが、とても新鮮に感じられました。


▲「雑木林の中の家」。
長さ40Mの「ガンギ通路」がある(左)。
ウッドデッキからは間近に迫る大木を見ることができる(右)。 

100の家には、100の家族の《家づくりの物語》がありました。
そういえば、北海道に移住する方たちの家づくりのお手伝いが、3年ほど続いています。
『子育てが終わったら、あんな暑いところに住んでいられない』と言いながら、実は、北海道の大地に夢を託しての《夢の実現の家づくり》です。
平屋の中で立体的に暮らす落ちついた感じの家にしました。


▲「夢の実現の家づくり」。
自然から少し距離をとった包まれたウッドデッキを設置(左)。
落ち着いた家づくりにした。
 
振り返ってみると、そこには《故郷創り》という共通した目的がありそうです。
 
それはなにも、団塊の世代に限ったことではありません。
 
30代の方たちも親元を離れ、自分達の子供が出来ると《自分達の巣作り》を始めるのです。
『育ったところが故郷』という図式が崩れ始めている背景もあるのでしょうが、経済主義・合理主義に抵抗する《防御のための家づくり》でもあるのかもしれません。


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2009年06月03日

ワクワクするような中古物件の利用方法

街中にあるオシャレなカフェやレストランの中には、古い建物を再利用しているお店があったりしますよね?
昔からそこにあるっていう存在感とノスタルジックな雰囲気がとても心地よく感じます。
道内だと小樽や函館のように歴史のある港町で、石造りの倉庫や古民家を改装している例が多く見られます。
もちろん札幌にもたくさんありますから、みなさんもお気に入りのお店なんかがあるのではないでしょうか。
 
ところが、それが「住まい」となると古くてオシャレな物件はあまり見られません。
ここ何年かで"デザイナーズマンション"という言葉を耳にしますが、そのほとんどが新築物件です。
新しくてキレイなのは良いですし、誰だってオシャレな空間で暮らしたいって思うものです。
でも、築数十年という古い建物の中にだって、すてきな建物は少なくありません。
最近の無個性な建物と比べると、むしろオシャレにデザインされた建物が目に付くようにも思えます。
それを気にかけながら街を歩いてみると、あなたにもきっと見つけられるはずです。
そんな古い建物のインテリアを改装して、「住まい」として、そこで暮らすことをイメージしてみてください。
まるで、映画やドラマのように浮かびませんか?

私たちはそれを、"リノベーション"もしくは"コンバージョン"と呼んでいます。
リノベーションとはリフォームと似た言葉ですが、建物をより大胆に再生するという意味合いが込められています。
コンバージョンは以前の用途としての寿命を終えた建物を新たな用途で再生させるというものです。
倉庫をカフェに改装するというのはこれに当たりますし、利用価値が無くなった古いオフィスビルがオシャレな住空間として生まれ変わる、というのもコンバージョンと言えます。
これらの手法で、古い建物の中に魅力的な空間を作り上げることができるのです。
 
新築は、建物を始めから造ることになるので、地盤や基礎、そして骨組など、普段目に見えず、触れることも無い構造部分に多額の費用が必要となります。
古い建物がある場合は、それを取り壊すために時間と費用がかかります。
しかし、リノベーションやコンバージョンの考え方を用いれば、既存の建物を再活用するため、費用も時間も少なくて済みます。
そして、新築との差額をインテリアに使うことができるという利点もあります。
 
築40年の賃貸マンションを例に考えてみましょう。
古い内装のままでは、入居したいという人もなかなかいないのではないでしょう。
しかし、一部の床を抜いてメゾネット形式に改造し、インテリアも大幅に変更することで、ずっとオシャレで魅力的な空間に生まれ変わることができます。

 

 

このプランは、在宅で仕事をする住人を想定して計画していますので、作りつけの棚やデスクを備えています。
40年も前の建物なので、天井の高さが低いのですが、一部を吹き抜けにすることで圧迫感を解消しています。
 
このように、中古物件を購入して自分好みのインテリアにしようと思ったとき、または既に所有する老朽化した建物の価値を高めたい場合、どうしたらよいのでしょうか。
選択肢はたくさんありますが、インテリアプランナーに相談するのは良い考えでしょう。
インテリアプランナーは、こうしたリノベーションやコンバージョンという仕事を得意としている人が多く、インテリアと切っても切れない建築の知識も持っており、いわばインテリアと建築のプロなのです。
クライアントの持っているイメージをくみ取り、さまざまな条件を考慮しながら、空間を具現化して行きます。
 
あなたが理想とする「住まい」は新築だけではないはずです。
インテリアプランナーと共にワクワクするような空間を築き、すてきな生活を始めましょう。


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2009年06月05日

小さい家もいいもんだ

家を建てることを考えるとき、予算の問題が必ずついて回ります。
予算と建物面積は切っても切り離せない関係です。
同じ仕様であれば、当然広くなればなるほどコストがかかります。
逆に、もしボリュームを抑えることが出来るなら価格も抑えることが出来ます。
 
単純計算ですが、1坪当たり50万円とすれば、3坪減らすと150万円も浮くことになります。
 
例えばその150万円をいかに有効に使うかで、コンパクトな家ながら豊かな暮らしを実現する。
そんな「豊かさとは何か」という提案をさせていただこうと思っています。
 
もちろん、「広い家はおすすめ出来ない、小さい家にしましょう」というお話ではありません。
限られた予算の中でいかに上手に暮らしを豊かにしていくか、その手段の一つとして考えていただければと思います。

お客様と打ち合わせをしてみると、「3LDKで良い」とか「4LDKが必要」など間取りの構成からおっしゃる方がほとんどです。
これは当然のことだと思います。
賃貸住宅を探すときも、建売住宅を買うときも、注文住宅の広告を見ても「○LDK」という表記ですから、この言い方が広く浸透しているのでしょう。
実際、弊社でも皆さんにわかりやすいように同じ言い方をしています。
ですが、ここで注意が必要です。
この表現には実際の床面積が表れているわけでありません。
そこでさらに詳しく要望を伺うと、
「子供部屋は6畳以上、出来れば8畳。主寝室は8畳では狭いので10畳欲しい。それにウォークインクロゼットもほしい。リビングは最低15畳、20畳もあればいいんだけど。対面キッチンがいい」
など、どんどん夢が膨らんで、同時に面積も脹らんでいきます。

面積が増えるということは予算も増えてきます。
とはいえ資金には限りがありますのでどこかで歯止めをかけなければなりません。
それには、「どんな暮らしをしたいのか」を改めて考える必要があります。
それによって、自分のライフスタイルにどんなものが必要で、どんなものを省くことが出来るのか、が明確になってくるでしょう。

今までいろいろなお客様と向き合いましたが、すぐさま「こういう風に暮らしたい」と言える方は実際多くはありません。
ですが大事なところですので、じっくり考えていただきたいのです。
 
ライフスタイルは一人ひとり違います。
本当にさまざまな暮らしがあります。
ご夫婦の過ごし方、お子様との過ごし方。
現在の一日の過ごし方、平日や休日はどのようにされていますか?
 
私は、「広い家、広い部屋」と「豊かな空間」は一概にイコールではないと感じています。
コンパクトなのに気持ちの良い空間、豊かな空間をつくりだすことは可能なのです。
 
自然素材を使用して経年変化をたのしんだり、窓の位置を工夫することによって視覚的に広がりを持たせたり、風通しを良くしたり出来ます。
また照明器具の効果も大きいものです。
同じ器具を使用しても設置位置の取り方で光の広がりを効果的に利用することが出来ます。
(これらについては後でお話させていただきます)
 
では、具体的にどこの個所を削ると、コンパクトにまとめやすいか。
それは、第一に子供部屋だと思うのです。


子供部屋は8畳必要?

実際のところ、「子供部屋」が「子供部屋」として使われる期間というのは短いのではないでしょうか。
中学生・高校生の間の、5年から6年くらいではありませんか?
小学校低学年までは親の部屋で一緒に寝ていたり、リビングで宿題をしたりしています。
遊び場もたいていリビングです。
そして大学生、社会人ともなると親元から離れてゆくのではないでしょうか。
とても短い期間だと思いませんか。そのような部屋に8畳も必要でしょうか。
 
私個人は4畳半もあれば十分と考えています。
その代わり、リビングや廊下の一角にワークスペースを用意して、子供だけではなく親も一緒に勉強したり遊んだりする場を設けてはどうでしょう。
このご時世だからこそ、家族のコミュニケーションの場があることがむしろ大事なのだと思います。


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2009年06月06日

創業20周年 記念感謝祭☆ガラクタ市


【創業20周年 記念感謝祭☆ガラクタ市】
[日時]6月20日(土)
[時間]AM10:00からPM3:00
[場所]石狩市花川南9条3丁目3

◆毎年恒例!!売切御免!!◆
1回目 10:30から
2回目 13:30から
1枚100円(1人4枚限り)

◆暮らしのお役立ちコーナー◆
●夏になる前に・・・網戸の張替えしませんか?(お持込に限り)
大・・・1,000円
中・・・700円
小・・・500円
●火災、煙、探知機、格安販売!!(取付け相談も承ります。)


・風船プレゼント!(100個限り)
・激安!花火もご用意してます!

・その他、リフォームの相談もお気軽に!
当日、住宅のことなら何でも社長に聞いてください。

施工例、商品情報は弊社ホームページをご覧下さい。
株式会社 オストトーヨー住器(石狩)

※当日雨天の場合は中止させていただきます。


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2009年06月08日

価値のある暮らし

初回の話で予算が150万円浮いたら・・・という話をしましたが、今回、予算は限定しません。
皆さんが自分の暮らしに対して価値があることとはどういうことなのか想像していただきたいのです。
 
次にあげる施工例は、お客様の暮らしの要望に応えたものです。
浮いた予算でこのような自分の好みを反映させた『こだわりの空間』をつくることも可能なのです。



スチール階段は空間をすっきりと軽やかに見せることが出来ます。
リビングに設けることによって階段のスペースもリビング空間として成り立ちます。
腰を掛けてテレビを見たり、本を読んだり、お子さんが駆け上がったりと、ただ単に昇降のための存在だけではなくなります。



キッチンと一体のナラ集成材のダイニングテーブル。
長さ2、2mもある広々としたテーブルでは食事以外に奥様の家事スペースとなり、お子さんの宿題スペースにもなりえます。
このご家庭には5人のお子さんがいますので、まさに家族団らんの場となっています。



キッチンの向かい側にある小上がり。
ここで食事をしています。
もともと座卓で食事をする習慣の方で新しい家でも椅子(いす)に座っては食事しないということでした。
イメージは居酒屋の堀コタツ。
毎晩、奥様の手料理で晩酌を楽しんでいます。



小上がりですが、ここではベットの代わりになっています。
ご夫婦は布団の生活に慣れ親しんでいるのでこのような畳のスペースになっています。
小上がりの下のスペースには引出しを設けて、衣類やタオルケットなどを収納できるようにしています。



タイル仕上げの玄関の壁面。
訪れる人を楽しませてくれる趣向になっています。
これも一つのおもてなしの心です。
下のスペースには自慢の熱帯魚がお客様を出迎えてくれます。



書斎部屋。
ご主人が学校の先生ですので書籍・書類が膨大にあります。
静かな空間で仕事がしたいという希望だったので、部屋はあえて外壁側につくらず、廊下に面して高窓を設置したつくりです。
そのため、少々暗いのですが落ち着いて仕事が出来ると喜んでいます。



造作家具はそれ自体もインテリアとなります。
収納は多いほど良いという奥様も大勢いらっしゃると思います。
寸法も自由に決められますので物がスッキリと片付きます。
収納する楽しさ、そして飾る心地よさが生まれます。


家族の数だけ暮らしがあります。
価値のある暮らしとは「何部屋ほしい」「何畳必要あればいい」ということだけでは図れないのではないでしょうか。
面白いことに建築・インテリアによっても暮らしが変わるのです。
つまり、自分の求めている生活、暮らしに合わせた空間つくりをすることによって、暮らしが楽しくなっていくのです。

○ オープンキッチンで手料理をつくり、ホームパーティを楽しむ暮らし。
○ ショールームのようなガレージで愛車を眺めながらお酒を楽しむ暮らし。
○ ヒノキに囲まれた造作風呂に浸かりながら日頃の疲れを癒す暮らし。
○ ウッドデッキに仲間が集まりバーベキューを楽しむ暮らし。
○ ホームシアターで観る映画と夫婦の共有するひと時を楽しむ暮らし。

住まいでの主役は建物・インテリア空間ではありません。
そこに住んでいる家族、その暮らしではないでしょうか。
 
何が大事なのか、何が楽しいのか、ということは一人ひとり異なると思います。
新たに家をお持ちになるときは、ぜひ家族で話し合ってじっくりと『価値のある暮らし』を見つめる時間を持っていただきたく思います。
家族が幸せに笑顔で暮らしていける空間が『豊かな暮らし』につながるのではないでしょうか。


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2009年06月10日

家というのは人の暮らしの背景であり人生の原風景でもあります。

家というのは人の暮らしの背景であり人生の原風景でもあります。
街並や風景を構成する要素として、環境に調和し景観にとけ込んだ風情が大切ではないでしょうか。
平尾建築事務所は四季のめりはりがあり爽やかな北海道にふさわしい住まいを提供したいと考えています。

一時的な流行ではなく永く愛着のもてる原形としての家を提案しています。


○丘の上のリニアハウス
札幌市南区の最南端近くに位置する牧歌的風情の二世帯住宅です。
丘の上から奥手稲への眺望を生かすため西側の側面を全て出窓とした細長い形で、幅が2間・長さが18間ほどです。

半地下は陶芸工房やストックルーム・高床の1階は生活空間で出窓からは180°のパノラマが広がり、2階はロフト形式の寝室や浴室となっていて、最上階の展望室からは遠く札幌の都心を望むことができます。


○サイレントキャビン
当別町の中小屋温泉の近くにある北国の自然環境と四季の移ろいの中にカメレオンのように溶け込む田園住宅です。
これも幅1間長さ12間の細長い平面で、1階は雨の日のテラスと玄関とクローゼット、2階は廊下のようなキャビン(生活空間)とブースターとしての寝室が横に張り出しています。
英国の運河をゆくナローボートのような「旅する船」の感覚を求めてみました。


○天空浴の家、メイゲツカエデの家、傾斜地の家、街なかの家、カレーの「ミルチ」
冬景色の天空浴の家、シンプルなアルミの外壁のメイゲツカエデの家、三角屋根に出窓がくっついた傾斜地の家、無落雪の街なかの家、レストランと居住部分併用のカレーの「ミルチ」、それぞれの立地条件、ご家族の状況、ご希望により全く新たに発想して設計をすすめますのでオンリーワンのオリジナルな家となりますが、それぞれの家の敷地環境や歴史的環境にも配慮しつつ、その場所にふさわしい街並みや景観のひとつとなるべく、ベーシックで北海道らしく記憶の原風景となってくれる家を提案できればと思っています。

天空浴の家
【天空浴の家】

メイゲツカエデの家
【メイゲツカエデの家】

傾斜地の家
【傾斜地の家】

街なかの家
【街なかの家】

カレーの「ミルチ」
【カレーの「ミルチ」】


住まいの内部は、住まい手の家族構成や個性に合わせた世界でたったひとつの空間です。
基本的な暮らしのスタイルやベーシックなものを大切にしながら、個々の希望にあわせてオリジナルな設計を進めていくとまさに小宇宙ともいうべき個性的空間が生まれてきます。
分厚いオーバーコートを着込んだようなしっかりとした断熱気密の外部に対し、やわらかなコットンのような優しくほのかな暖かみのある内部空間を提案しています。


○伏見の家
風を入れる小さな窓・テラスに面した大きな窓・右奥のキッチンの正面にも大きな窓、それぞれの窓がお隣の借景を取り込みながら並んでいます。
景色と光をやわらかく取り込んで、シンプルな普段着感覚の自然体の居住空間をざしました。


○手稲の家
鉄筋コンクリート構造の特徴を生かし和室と食堂のあいだに円窓を設けました。
円窓には古代中国や日本の禅寺・書院などにおいて、小さな丸窓を通して広い宇宙をみようとする意味合いもあり、不思議な結界を感じさせて、独特の空間感覚を呼び起こします。


○カレーのミルチ
ロフト空間は傾斜56度の傾斜天井です。
傾斜が50°をこえると天井というより壁の感覚に近くなります。

圧迫感はほとんどなく、屋根裏感覚の落ち着いた空間になります。


○神楽の家
シンプルでやさしくナチュラルな室内空間です。
長く伸びたハイサイドライトが北国の美しい夕暮れの日差しを取り込み、上部の吹抜けからは南からの日差しが注ぎます。
プライバシーにも配慮した窓の構成が居間から和室へと続く一体空間を特徴づけています。


○北広島の家
小さな別荘ですが三角屋根とゆるやかな円形ドーム屋根がくっついた形が独特の内部空間を生み、濃密な小宇宙を構成しているように思います。


○メイゲツカエデの家
庭に大きなメイゲツカエデのあるこの家は、少し折れ曲がった平面により実際よりも奥行き感のある内部空間を構成し、2階のホールやダイニングの天井には構造材が露出し、3階のロフトは垂直から傾斜に変わる壁で構成されて、不思議な広がりのある独特の居心地を演出しました。


○天空浴の家
ペントハウスへ上がるラセン階段をやわらかな光が包みこみ、素朴でナチュラルなモダンかつレトロな空間を創ろうとしています。


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2009年06月12日

皆さんご存知のように

皆さんご存知のように日本国内においては北海道だけが「亜寒帯(冷帯)」に属しています。

本州以南にお住まいの方は、「亜寒帯」、「冷帯」などと聞くと「寒い」イメージが先行して、暮らしに関してネガティブな思考になりがちですが、実際に北海道で暮らしている皆さんはいかがでしょうか。

私は北海道で生まれ育ったので、もちろん北海道びいきです。
やはり北国の四季の美しさは、国内の他地域では体験できないすばらしい豊かさを持っていますよね。
こんなすてきな環境がまわりにあふれているのですから、それらと住まう人が積極的にかかわりを持てる家づくりをしたいと私は考えています。

積極的なかかわりを持つといっても様々な方法がありますよね。
周辺の環境だって、木々の生い茂る森のようなところから、建物に囲われた都市的な地域までさまざまです。
今回は、私の設計したいくつかの住宅を資料に、このあたりのお話をさせていただこうと思います。



せっかく大きな窓を設置しても道路に面していると、なんとなく人目が気になって常時レースのカーテンを閉めてしまったりしませんか。
ここでは道路に面した大きな窓と、外壁と一体化した木ルーバーとの間に半外部空間を設け、道路からの視線をカットしつつ内部への光、景色、通風などを確保しています。



旭山動物園のアザラシ水槽みたいですね。
実はリビング中央に設けられた光井戸です。
一見、室内のように見えますが、水槽の中は外部空間です。
ですから光はもちろんのこと、雪や雨がこの中を通り抜けて行きます。
北海道の雪は乾燥したパウダースノーですから、水槽の足元から軽く風が吹いただけで「クリオネが舞うような」美しい雪のエンターテイメントを見ることができます。
このように普段見慣れた環境を、例えば「切り取って眺めてみる」だけで、そこに普段気付かなかった美しさを見つけることができるでしょう。



車好きのクライアントのために設計した住宅です。
ガラス張りの車庫がリビングに接した「車好きの家」というのはよくあるのですが、せっかく四季の美しい北海道に建てる住宅なので、ここでは車庫とリビングの間に季節(中庭)を挟み込もうと考えました。
つまり、リビングから吹雪越しに車を眺めたり、落ち葉が舞うその向こうに車を眺めようという趣旨です。
その方がいつも車の見え方が変化し、停まっているのに動いている、そんな感覚で大好きな車を眺めることができるのではないかと思ったのです。
中庭には薄く水が張られたパティオがあり、例えば雨が降れば美しい波紋が拡がり、風が吹けば揺らぐ水面に反射した陽光がリビングの天井に反射するといった具合に、外部環境の変化や美しさを視覚的に強調して分かりやすく室内に取り込む装置になっています。



JR駅近くの住宅街に建つ住宅です。
便利な地域には当然建物が密集してきます。
こうした地域では、窓を開ければ「汚れた隣家の外壁」が見えるのが普通です。
でも、窓から見える外壁が汚いから塗装をして下さい、なんて隣人にお願いすることはなかなかできませんよね。
ですから、この住宅では自宅外壁の一部を利用してリビングの前に囲われたテラスを用意しました。
このテラスは隣家の壁と違い、住む人の好みに合わせて自由な演出が可能です。
このテラスに面する窓の大きさや高さなどを調整した設計をすれば隣家からの視線をカットしつつ外部環境と生活を積極的に関係付けることが可能です。



恵まれた自然環境に面した住宅です。
細長い敷地の一番奥には、谷間に生い茂る樹木の陰に陽光きらめく川を望むことができます。
車通りの多い前面道路から、川を擁する谷に至るまで異なる材質で仕上げられた3つの箱が並んでおり、その中を川に面したテラス・リビングに向かう小道が貫いています。
一見、廊下が長く無駄なスペースが多いと思われがちですが、私はこの廊下が別荘のようなリビングに、日々家族を導く大切な空間だと考えています。
川を見る・感じるという単純な行為も、そこに至るまでのプロセスの違いによって大きく印象が変わるのです。


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2009年06月15日

建物に使われる材料

建物に使われる材料は下地材と仕上材に大きく分けられます。
とはいえ、これは決まりがあるわけではなく、製造メーカーがそのように区分けしてたり、私たちが経験的・常識的に区分けして思い込んでいるに過ぎないのです。
私たち建築家は、こういう「一般常識」にはしばしば抵抗したがる傾向があって、農業用資材とか土木資材などと銘打ってるモノや、通常は何がしかの仕上げをするものとされてる材料をそのまま用いてみたりすることがあります。

私にも大いにその傾向がありますが、やみくもにやっているわけではありません。
コストダウンになること、より丈夫になること、が基本です。
また、「目の前の建て主だけは説得できても、ほとんどの人には納得されないだろうなー」などという、1回コッキリの試作には興味がありません。
繰り返し使いながら洗練させていきたいので、普遍性のある理屈を明確に持ってやることにしているのです。

これは、今では皆さんご存知の「ブロック積」をそのままむき出しでインテリアにする手法です。
始めた頃は「あのブロック塀のままでしょ?ぶつかったらスリ傷できませんか?」と言われました。
「お金ができたらペンキ塗るなり、タイル貼るなりどうにでも。これは下地のままですから」と説得したものですが、このブロック柄のビニルクロスが作られるほど市民権を得てしまいました。

もうひとつ、ある時期から普及し始めた2x4工法の木材を見ると、きれいにカンナ掛けされていて、そのまま使ってもトゲが刺さることはなさそうです。
そのまま使うことにすれば大工さんの手間も減って少しはコストダウンにもなろうか、と考えました。
ブロックのラフな質感にはこういう組み合わせも馴染んでいるでしょう。


私がこのところ注目しているのは、北海道産の集成木材。
戦後植林されたカラマツやトドマツが成長して使いごろになってきました。
このカラマツやトドマツに集成材加工を施すことで、建築構造材料として流通し始めました。
 
集成材加工は手間がかかるので価格は高めになりますが、製造工程の必然から2×4材以上に精度が良く、きっちりと仕上がった材料として納入されます。
これを隠してしまうのはすこぶるもったいない。
ということで、これまでの作り方では仕上げ材で覆われてしまう柱・間柱・梁などの構造材を露出させる方法を探ってみました。

この建物は喫茶店です。
間柱を利用して施主自らが使いやすいところにカップ棚を製作。
文庫本の奥行にもぴったりだから、本棚にもなります。
普通ならボードを張って隠されてしまう空間を有効利用できるのがメリット。
すなわち広く使えるのです。

「あれー、柱の厚み部分には断熱材が入るのでは?」と疑問がわきます。
その通り、断熱材が無ければ「北海道の住宅」にはなりません。

柱の厚みの部分に断熱材を入れることを充填断熱と呼び、これが一般的ですが、近年の省エネ・高断熱化の指針では柱の厚み10センチ程度だけでは足りないので柱の外側にも断熱材を取り付けるようになりました。
これを外貼り断熱あるいは外側断熱と呼んでいます。

いろいろ検討した結果、充填断熱は無しにして、外貼り断熱だけで性能を満たすことにしたのです。
だから、すべての構造材を露わにできるのです。
見えている壁は、厚い構造用合板でこれは耐震性能を高める重要な役目を担う必須の部材で、その外側に断熱材が取り付けてあります。
屋根の作り方も同様で、天井のように見えているのは「垂木(たるき)構造」という工法で屋根を支えていて、その外側に断熱材を設けてその上にもうひとつ屋根を置いているのです。



これまでの写真は、カラマツを用いたもので、色味が濃く赤味がかっています。
これをトドマツにすると白っぽい色合いになります。
私はこれらを好みに合わせて使いわけています。



全体が木材一色のインテリアも良いですが、たまにはちょっと変えてみたくもなります。
ここでは耐震用の壁材として、モイスという新しい材料を用いてみました。
構造用合板より強度があり、色が白でなおかつ消臭性能・有害物質を分解する能力があります。
少々のコストアップはお釣りがくる性能、と考え、採用してみました。



これらの木材は塗装することもなく、そのままで使っています。
「これはコンクリート打ち放しにならうと、さしずめ木造打ち放しということですなー」
との感想を構造設計家からいただきました。
化粧仕上げ材として木材を使ってるのではなく、構造上不可欠なものだけがそのまま見えているだけだから、なかなか的を射た表現で、気に入っています。
どうも「化粧」とか「仕上げ」というのは、その後が面倒と思っています。
和服を着てお化粧もして、ナポリタンを食べるのは避けたいものでしょう?
ソースがはねぬよう神経使うし、後の化粧直しは必須。
が、日常の生活はなかなかそうはいきません。

普段着感覚の住まいというのが性分に合っているので、仕上げという手順は省いた造りにことさらファイトを燃やしています。


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2009年06月17日

玄関と連続している土間

玄関と連続している土間は、居間の一部として冬期間、靴やコートを暖め、外出の際に身支度をするのに便利なスペースです。
氷点下の日々が続く北国では、寒さに強い犬とはいえ、雪の中はかわいそう。
犬にとっても土間は、家の中の居場所として最適です。
 
週末の居間はすべてが土間です。
春から夏、秋にかけて庭で土いじりをし、出たり入ったり落ち着きのない過ごし方をしている私たちにとって、土間は便利です。
人も犬も土足、お互いに気を使わない自由さが気に入っています。
また、近所の人たちが立ち寄っても、靴を脱ぐわずらわしさがありません。
 
このところ、北海道の夏も猛暑が続くことが多く、犬は冷たい土間に腹をつけて、気持ち良さそうにしています。
私たちも、はだしでペタペタと歩き回ったり、時には犬と一緒に土間にゴロリと昼寝を楽しみます。北国の土間は、夏も冬も快適な空間といえます。




MIZ邸は夫婦とゴエモン(老犬)が気持ちよく暮らせる家としてしっかりとした躯体(くたい)、外断熱、広めの土間と中庭、そして眺めのいいサウナと、ぜいたくとも思える要素を盛り込んだ住宅です。
 
全ての居室が中庭に面し、狭い庭ながらも四季を楽しめます。
1階はダイニングとつながり夏には居間として、また、2階の浴室とサウナ室も気持ち良く庭に面し、スキー場の山並みも見渡せます。
 
内部は打放しと塗壁、土間はテラコッタ、北よりも南を感じる空間。
もうひとつの内部としての中庭は板張りとレンガ、植物の好きそうな素材を背景として南より北を意識した空間としました。
年を重ねる毎に庭は熟度を増し、家もまた充実度を増していきます。
 
新しさが薄れ、壁のキズと日焼けの跡を残しながら住み手の暮らしぶりになじんでいく空間は、豊かさを増す日常の始まりであり、家が息づき始める時でもあります。
それは移植した樹木が3年目くらいからやっと元気を取り戻す時と似ています。
周りの環境と歩調を合わせ、隣近所と同じ空気を感じられるようになったとき、ちょっと目立ちながら、“そこに在るべくして在る家”になることが理想と考えています。



DATE Houseは、おじいちゃんの家と孫の家の二世帯住宅です。
ひとつ屋根の下でありながら路地(土間)でつながっています。
玄関は共有し、そこから左右に分かれL字型になっています。
 
路地はおじいちゃんの家の居間までつづき、突き当たりにストーブが置かれ、夏はテーブルも置かれます。
孫の家は路地がそのままダイニングキッチンになり、広場の様にふくらんでいます。
 
路地の長さは20m以上あり、庭と大きく接し、人も愛犬も土足のまま出入りしています。
 
L型配置の家はさけの遡上が見られる川と雑木林に囲まれた大きな中庭があり、家族総出でせっせと庭づくりが進んでいます。
大きな緑の下でおじいちゃんと孫が将棋をさせる日はもうすぐです。




この小さい山荘には玄関はなく、1階部分は全て土間でつながっています。
 
靴はどこかで脱ぎます。
多分、夏と冬では脱ぐ位置が変わるのかもしれませんし、簡単に変えられます。
雨の日と晴天でも変わります。
 
脱ぐ場所にはマット1枚と靴を1足置く、それが合図です。
だから、初めて訪れる人にもすぐわかるのです。


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2009年06月19日

雪も心地良よい環境のエクステリア

今回は、「雪」を考えたフロントヤードのポイントをご紹介します。
「フロントヤード」とは、一般的には道路に面した空間です。

玄関へのアプローチや駐車スペースがあり、フロントヤードが南に面している家は「庭」としての空間もあります。
(それに対して北側に面している場合、庭は南面に配置され、「バックヤード」と称します)


道路から玄関までのアプローチ(通路)は、エクステリアの中でも最も重要視しなければならない部分です。
 
家族以外にも来客が必ず通る所ですので、歩きやすい素材と形状を選びます。
特に雪や雨でも滑りにくく、除雪しやすい形が必要です。
小さな子供からお年寄りまで、安全に歩くことができるように考えてみましょう。
家の顔ともなりますので、デザイン性もできるだけ考慮しましょう。
 
一番理想的なのはロードヒーティングです。
幅1mの歩く部分だけでも雪がないと安心です。
灯油高騰の時代にはロードヒーティングの設置に踏み切れないのが現状でしょう。

しかしながら、将来、除雪が困難になった場合を考えますとヒーティングができるような素材やデザインにしておくことで、後々無駄を省くことにつながります。
 
例えば、アプローチの素材をレンガやインターロッキングにしておけば、再利用できます。
アスファルト舗装やコンクリート舗装はヒーティングを設置する際、壊して捨てなければなりませんが、最近は、このような産業廃棄物の処理費がどんどん高くなっています。
多少割高になっても再利用できる素材を選ぶことのほうがトータルで考えますと割安になりますし、見た目も良い上、滑りにくく、補修もききます。
 
特にレンガは天然素材ですので、年数が経つほど風合いも出てきます。
値段は少し高くはなりますが、ストレートタイプよりも角が落ちているレンガのほうが少し欠けたりしても全く違和感がない上、ナチュラルな感じの仕上がりになります。


▲段差のないレンガアプローチは、色を変えて曲線ラインで平面的な動きを付ける


▲角を落としたソイルレンガ

インターロッキングは、コンクリートの表面に着色したもので、一般的にレンガの形状が主流です。
焼きムラのあるレンガと違い、1個単位での色は単一ですのでナチュラル感はありませんが、スタイリッシュな建物には合わせやすい素材です。



▲インターロッキングのアプローチ。色を混ぜずに単色使いにするとスタイリッシュになる


▲ストレートタイプのインターロッキング

どちらともあまり日の当たらない所ですと目地にコケが生えて滑りやすくなりますので定期的にブラシで洗い流す必要があります。
 
そのほかに大変見栄えする「石張り」もアプローチの素材として使われますが、コンクリート基礎の上にモルタルで固定しますので、再利用ができません。
石張りは滑りやすいですので、同時にヒーティング工事をなさるほうが良いでしょう。



▲石張りの下はロードヒーティング

また、砂利敷きは安価ですが、玉砂利は表面が凍りやすく冬場は危険です。
飛び石を置いたりしますと歩きやすくなりますが、除雪や春先の雪割りがしづらいのが難点ですので、常に歩く部分の素材としてはあまり適していません。


積雪地域では車庫やカーポートが雪から車を守ってくれますし、慌ただしい朝の出勤時に車の廻りの除雪をしたり、屋根の雪をはらったりする必要がないので大変重宝されています。
 
しかし、建物との景観、特にデザイン性に富んだ商品は高価ですし、フロントヤードで占める割合が大きいことを考えますと慎重に考える必要があります。
 
一番理想的なのは、建物の一部として組み込まれていることでしょうが、ほとんどが家を建ててからの後付けになります。
 
また、かなり頑丈な構造でない限り、一冬に数回は屋根の雪を下ろす必要がありますので、その雪をどこに下ろすかがネックになります。
 
車庫やカーポートの前に下ろしますと、その雪をもう一度よけなければなりませんので、後ろに下ろすことのできるスペースがあればとても楽です。

車庫を設置する場合は、設置場所に余裕があれば、物置も兼ねた長さにしておきますとタイヤやスノーダンプなどの収納ができます。
ただし、車庫によって庭が日陰になることもありますし、せっかくのリビングの窓から車庫の壁が広く見えてしまっては景観上よろしくないので、車庫かカーポートかの選択はいろいろな場所に立って想像してみる必要があります。
 
カーポートの場合、夏は雪を下ろすスペースが庭の一部になっていればカーポートの中が日除けにもなり、バーベキューもできます。
このような使い方をする場合は、カーポートの中の舗装材はアスファルトではなく、レンガや枕木敷きにしますと庭にとけこむイメージになります。
 
また、冬はカーポートを玄関への通路としても利用すると、冬と夏の動線に変化が生まれます。
雪を考えながら通年で楽しむことを考えて見ましょう。


▲雪下ろし不要の頑丈なカーポート

▲夏はレストコーナーになる


庭に堆積(たいせき)された雪山を滑って遊ぶ家をよく見かけますが、思った以上にスピードがつきますので、必ず道路を背にするようにスロープを作りましょう。
また、雪山をカマクラにする場合、特に春先は暖気で崩れる恐れがありますので、早めに崩す必要があります。
 
最近イルミネーションを楽しむ家庭が増えていますが、コニファーなどの常緑樹でなくとも、葉が落ちた枝につけてもステキです。
イルミネーションは熱を持たず、長寿命で電気代の安いLEDがおすすめです。
また、雪ダルマや雪ウサギなどを玄関脇に置くだけで、その家の印象がとても楽しく、暖かいものに感じられます。


▲雪ダルマ。通りすがりの人達が思わず微笑む


▲バケツの水を凍らせて氷のダルマを作り、オブジェのようにアプローチに置く


雪を邪魔者にするのも、楽しみの要素にするのも考え方次第です。
ゆっくりと雪をみつめてみませんか。


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2009年06月22日

創業20周年感謝祭『ガラクタ市』

今年も盛り上がりました!


会場オープン前です。
そして10時からオープンでしたが、実は10時前には…



すでに長蛇の列です。
ありがたいことです!



社長も早速リフォーム相談会で忙しそうです。



このご婦人の列は?

毎年、当社の目玉?
ほっけ1枚100円!!
社長の故郷より直送で大賑わい!!



お食事コーナーも順調です。



今年も大成功!!


PS.
ちゃんとキッチン・洗面・トイレリフォームの受注も受けました。
ありがとうございます。


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2009年06月23日

自然素材って?

自然素材って?
家を建てる時、購入するときに丸太(木材)のことまで考えたことありますか

自然素材と言われて何を思い浮かびますか?
土や石、木材など色々ありますが木材に携わる私のお仕事上、「木」についてのお話をしていきたいと思います。
主に、インテリアなどに使われる「木材」についてのお話です。
 
はじめに、この「木材」はどのような過程を経て皆さんの手元に届くのか・・・・
 
伐採された丸太(輸入材を含む)は、旭川にある銘木市場へ集まります。
多い時には、本数にして2万本もの丸太が所狭しと並びます。
この銘木市場では月に1回のペースで丸太の売買がなされます。

この膨大な量の丸太を下見して歩き、買いたい丸太を選びます。
開催期間3日間の内、下見をできるのは2日間で最終日は、入札となります。



木の種類・長さ・太さは第一の基本になりますが、この他に・・・

ポイント1・・・木口(こぐち・丸太の切り口部分)の割れ
ひとくちに「割れ」と言っても色々な割れ方があります。
木の芯(年輪の中心)から放射線状にビリビリ割れたもの、バツの字に割れたもの、年輪に反って割れたものなどさまざまです。
割れのない丸太は本当にまれで、めったにお目にかかれません。
そんな中から選ぶのは、「1の字」(いちのじ:縦線の意味)の割れです。
ただし、「1の字」であれば何でも良いわけではなく、「元(もと・木の根っこ側)と末(すえ・木の枝葉側)の割れが同じ方向であるもの」を探します。
割れがない状態で、できるだけ長く使える板にするためです(詳細は後述します)。
例えば、時計の針で表現をすると・・・元の木口割れが1:05を示す割れ方、末の木口割れも1:05を示す割れ方。
一見同じ方向の割れ方と思われるかもしれません。
しかし、どちらか片方の木口から反対側の木口まで透かすように見たとき、こちらは1:05の向きでも反対は11:55の向きになり、割れ方を通して見た時に×の字になってしまいます。
このことに注意が必要です。

この選材は一人では出来ません。
丸太を挟むようにあっちとこっち、2人がかりで長い棒を割れに沿わせ同じ方向を向いているかを確認します。


ポイント2・・・木の癖
次に、丸太全体を見ます。
反りやねじれはないか。
木は正直に動きます。
 
反りがある場合は、割れと反りを見ます。
基本的に割れを立てる状態で製材をしますので、製材をする時の反りの方向を見ます。
板にしても使えるかどうか・・・また、ねじれた木は選びません。
製材をして板にした後も同じようにねじれます。
木の動きは丸太の状態から見えます。


ポイント3・・・表面に膨らみや腐れ
更に、見えている部分全体を見ます。
表面に膨らみがある場合は「節(ふし・枝のあと)や腐れ」が膨らみとして現れていることが多いので、それが何なのかを想像します。
あまりにも大きい場合は選びません。
良い板が採れないものは選材対象から外していきます。
腐れも同様です。 
 
以上の選材ポイントをクリアする丸太に札を入れます。
その前に、この丸太はいくらの値を付ければ落札できるか?
欲しいからといって高値を付ければよいものではありません。
高値で落札してしまえば商品として販売される価格が高くなってしまうだけです。
ですので、同じ樹種で同じような形状のものが過去にいくらで落札されているのか、この丸太が1本いくらで落札できれば販売しやすい価格になるのか・・・そんなモロモロを考えながら入札金額を決めます。

 



(入札とは、買いたい丸太に値段を付けた札を入れ、一番高値の人が購入できるシステム)

≪札入れから落札までの流れ≫
進行役が「○番入札願います。」と言うと、その番号の丸太を買いたい人が金額を書いた札(ふだ・と言っても紙です)を一斉に上へ掲げ意思表示をします。
その掲げられた札を係りの方達が集めて走ります。
集められた札は開票担当へ渡り、一番高値を探し出す。
 
この入札もハラハラ・ドキドキです。
ほぼ一日かけて行なわれるのですが、丸太番号1番から順番に一点ずつ落札者名と価格が読み上げられます。
これはもう息つく暇がないほどの忙しさです。
札を集める人、開票する人、司会進行役はもとより入札者も忙しい・・・・入札会場で金額を書き込みながら札入れなんてのんきな事はしていられません。
下見が終わったその日から、金額を入れた札を用意しておかなければこのスピードに置いて行かれてしまいます。

「○番入札願います」と言われ、意思表示をして開票・発表までの所要時間・・・わずか3分たらず。
カップ麺の待ち時間より短い、膨大な量の丸太を一日でさばくのですから・・・。
発表される時は聞き逃す事は出来ません。
そんなわずかな時間の開票ですので少なからず間違いがあります。
間違いはその場で訂正していきます。
自分が入れた札の価格のほうが上回っている時は 「異義あり!」 で見直しをしてもらいます。
見直し後に訂正の発表があります。
それでは、同じ金額を入れた人が複数いる場合は?
その時は、くじ引きになります。
司会進行役から一名指名され、その人が右か左か真ん中か・・・手の向きで示し選びます。
それを壇上にいる人が引き抜きますが、その棒の先には「当たりは赤」が塗られています。
それを引き当てれば落札となります。
 
こんなにたくさんの丸太の中で諸条件を満たすものはわずか10本程度。
この10本のために一日入札現場に張り付くことになるのです。


▲長さ4m、太さ40cm以上の丸太たち



落札した丸太は、製材工場に集結させます。出来るだけ短期間で製材を済ませます。

 

普通、製材工場では丸太を製材する前の準備として表皮を機械でむいてしまうのが一般的です。
表皮が付いていると釘を見落としたり、丸太が転がらないようにハッカーという爪で引っ掛けて押さえるのですが、表皮がはがれてハッカーが外れるなどの危険を伴ないます。
が、今の流行は天然の面付き材です。
自然の形をそのまま残して加工した材木で、テーブルやカウンターなどの「面」がついた家具に適しています。
インテリア家具として外せないポイントの一つです。
テーブルやカウンターに無垢材を使った証しのようなものでしょうか。


▲ダイニングテーブル:胡桃(くるみ)材


▲据置型キッチンカウンター:アサダ材


皮むき機に掛けられては面が台無しになってしまいます。
ですので製材工場も表皮が付いたままの製材である事、カウンター材のような6mを超える丸太が製材できる事、この二つをまかなえる製材工場でなければなりません。
北海道内わずかな製材工場の中から依頼先を決めます。


丸太の向こう上部に鉄の爪があるのがご覧いただけると思います。
これが ハッカーという爪です。
右の画像が丸太にハッカーが掛かった様子。
この鉄の爪で丸太の転落を防止しますが・・・上部だけではありません。
下からも鉄の爪は出ています。丸太を鉄の爪でつまんでいる状態です。
 
機械に乗せた丸太は、ハッカーを掛ける前に割れや反りを確認しながら機械の上でクルクル回し、ノコを入れる位置を決めます。
ここで、前述の「丸太の選び方 ポイント1」で説明した木口割れが重要になります。
まず、「1の字」の割れを立てて製材をします。
まさに数字の「1」の状態です。
この割れと平行にノコの刃を通します。
もしも割れをノコの刃と直行すると、木口割れのある板が製材されてしまい、ノコの刃を通過した途端、「ビシッ」と音をたてて裂けたり、人工乾燥中に割れが延びて一枚板の木材として使えなくなってしまいます。
位置が決まったらハッカーがグサッと掛けられます。
 
準備が整ったら、機械で丸太の表皮面が真っ直ぐになるように元と末の出入りを調整して・・・いざ!ノコへ通されます。
一ノコ目は表皮を取る程度に通し、次からは製材する厚さの指示をしていきます。
その指示に従ってノコに通し板ができていきます。


ノコに通し、出てきた板の表面のはばで、テーブル用材に使おうか?カウンター用材に使おうか?など何に使えるようにするかで次に指示をする厚さを決めていきます。
そしてノコを通った先には・・・。


ちゃんと受け取る人が居るんです。
先取り(さきどり)と言いますが、ご覧のとおり「人力」です。
薄めの板であれば一人でも大丈夫ですが、カウンター用の厚さ6cmを超えるような板となると2、3人がかりです。
かなりの重労働です。
しかも、面を壊さないように気をつけなくてはならないので余計に大変です。
そんな作業を繰り返していくと丸太はだんだんと芯(しん・年輪の中心部分)に近づいてきます。
芯が近くなると大抵は「節・ふし」が出てきます。
節とは枝の跡を言い、枝は芯から伸びていきます。
その節の出方で流れ節というものになったりします。


▲枝跡に直行して製材した時の節(よく見るマル型)


▲枝跡に平行して製材した時の節(流れ節)・右上部


このように、インテリア家具・カウンター材が生まれます。
次はこの材料に割れ止め塗料を塗り、桟積み(さんづみ)して人工乾燥の釜の中へ入れます。
割れ止め塗布(とふ)、桟積みも全て人の "手" で作業されます。
釜の中で水分を出させる事2、3ヶ月、含水率をチェックしてOK!となれば釜から出されます。
釜から出た木材は更に1、2ヶ月桟積み状態のまま保管、これを「戻し・もどし」と言って内部の水分を全体になじませ落ち着いた頃に表面を削り、やっと商品として陳列されます。
 
見えないところで労力を費やし、手間が掛かるのです。


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2009年06月24日

一軒の『家づくり』は、『まちづくり』へつながります。

一軒の『家づくり』は、『まちづくり』へつながります。
 
二十年経ってただ古いと感じさせる住宅と、年月とともに魅力が増してくる建物があります。
『その差はいったいなんだろう?』
と思ってくれる人たちが北海道にたくさんにいてくれたら、この街は素敵(すてき)な街へと変わっていくに違いありません。

日本の素晴らしい文化にあこがれて、京都、奈良には世界中から観光客が来ます。
北海道には素晴らしい第一次産業の産物と、四季に合わせて移り変わりの美しい自然の景色があります。
そこに調和する建物に溢れていたら、きっと北海道は世界中の人々の憧れの場所になります。



家からのポリカーボネイト越しの光がまわりの住宅への外灯のかわりにもなります。


ポリカーボネイトの扉は360度回転して45度90度135度180度と角度を変えることができます。
東側にあるテラスはお隣の家と接近しているのでプライバシーを保ちながら光を取入れられるテラスになります。
暖かい日のランチは最高です。


リビングダイニングの天井は3.3メートルをとり空間に広さを感じられます。左手にテラス。


オープンキッチンはいつも家族との近い距離を大切にします。
家電も食器棚に隠しすっきりと納めています。


ヨーロッパへ行くと、空港から目的地へ向かう道中の街並みからドキドキワクワクさせられます。
 
それにくらべて、新千歳空港からJRで札幌駅へ向かうあいだの車窓から見える街並みは、何だか居眠りしてしまいそうな建物ばかりです。
 
札幌の街中を走る観光バスのツアー客も、キラキラした目で街並みをみている人はいません。
ただ目的地へ向かっている道中でしかないのです。
 
日本人の意識の中に、人と同じが良いという感覚があります。
「会社が大きいから」「メディアでCMをしているから」というところで安心感を求めて、家を買い求める人が多いようです。
 
「建てた時の安心感」「みんなと同じ」も大切ですが、住む家族がそれぞれ違うように、家もそれぞれ違う顔を持って良いと思います。
北海道の住宅の性能レベルは日本一です。
ほんのごく、ごくわずかに反する施工会社があるのかもしれませんが…。
 
建てた家にこれから50年住むと考えたら、もう少し自分の家へのこだわりや愛着を持って、建築家に存分に話してください。



名寄市の郊外に建つ住宅です。
神社の近くで背景に緑がたくさんです。
北側がキャンパスのような白い壁とコンクリート打ち放しの外壁の3面の異なる壁面ラインから構成するプロポーションです。

各部屋のイメージをしっかりとお持ちの施主さんで、玄関は温泉旅館のように広く、リビングは狭く、キッチンの収納には扉はいらないなどと具体的に注文されました。また、以前住んでいた家の良くない部分について、よく話をしてくれましたので、新しい家にはその点、気を使いました。
 
「チープな材料を使ってほしい」との要望でしたので、天井の材料は構造材の針葉樹合板に塗装をし、照明器具も電球の見えるものを使用しました。
外観は、3種類制作した模型の中から、工場みたいなのこぎり屋根のカタチを気に入っていただきました。
 
新しい家でお会いした施主さんの顔つきは、何となく以前より幸せそうでした。
そんな表情を拝見しながら、日々の生活環境って大切だとつくづく思います。


工場のような、のこぎり屋根の外観


薪ストーブのある広い土間の玄関


北海道産の唐松と木毛セメント板を使った音楽室


「材料も木を使いたい」「土壁にしたい」「なるべく道産材を使いたい」「金属系の材料を使いたい」など、建築雑誌や通勤途中に素敵な家をみつけたら、「誰が設計したのかしら?」とインスピレーションも働かせて建築家探しをしてください。
自分のため、家族のために快適な空間の家を建築家が設計するようになると、きっと街並みに吹く風も素敵なものになります。



この家は昭和34年に建てられました。
その後、平成16年に持ち主が替わり、当社でリノベーションしました。
もともと素敵な外観でしたので、保存の意識で設計しました。


絵画の収蔵庫だったところを、オーディオや読書に集中できる大人だけのセカンドリビングに変身させました。


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2009年06月26日

借景って皆さんご存知ですか?

借景って皆さんご存知ですか?

「借景」というと、京都にある龍安寺石庭の背景のような、和の伝統的なイメージを思い浮かべる方も多いことと思いますが、僕たちの住む北海道も、自然や四季の変化に富み、「借景」に恵まれている場所が多いと言えるでしょう。
僕もこれまでそういう場所に建つ建築の仕事に、少なからず関わってきました。
所有しなくとも共有できる「借景」という概念が僕は好きで、設計相談に来ていただいた方の土地探しのお手伝いをするときも、建築の計画をするときも大切にしています。
「借景」は、人々の心象風景に刻み込まれるようなありがたい象徴ともなり得、人の心のありように深くつながっているとも言えます。
「借景」と関わる作品をいくつかご紹介させていただきます。


■海の崖っぷちのSOHO

石狩湾を見下ろす銭函の崖っぷちに建つ住宅兼アトリエです。
ここからは海、空、街を俯瞰(ふかん)でき、自然と人が対峙(たいじ)していることを実感します。
一年中、日の出を拝むことができ、その位置によって季節の移行を感じ、その無限的な反復運動を確認できるのも、ありがたいことです。
「魅力的な場所であるほど長い時間を過ごすべき」との考えから、住み働くSOHO(Small Office / Home Office)の形態をとりました。


海側の大開口部と濡縁(ぬれえん)


居間より夏至の頃の日の出。
折れ曲がり部は既存樹をかわし、街への視線を与える。


海に向かう廊下


空に向かう階段


■円山のPASSAGE

都心に近いが、豊かな自然環境に恵まれた場所に建つ家です。
もともと生えていた大樹に向かうPASSAGE(小道)となる回廊を日々往来し、季節を感じつつ、大樹とともにある暮らしを楽しむことができます。
大樹は、目で見えているもの以上に象徴的な存在と言えましょう。
回廊の列柱は、無限に連なるようなイメージを想起させたいと考えました。
中庭からは円山の稜(りょう)線も借景しています。


道路側より。
PASSAGEとなる回廊は大樹に向かい、背景には円山の稜線。


敷地奥となる大樹の庭より。薪ストーブの炎も楽しむ。
(写真:酒井広司)


中庭より円山の稜線を借景。
母屋と離れが呼応し、その間を半戸外として楽しむ。


■蘭島のCOTTAGE

都蘭島海水浴場のそばに建つ別荘です。
この別荘の海側にはすでに別の建物があり、その屋根越しに海を、山側は森を借景しています。
隣接する営業パーキング側はプライバシーのため開口部を抑制し、光と切り取られた空を楽しむようにしています。
空間全体において天に向かうような上昇感と連なりを持たせています。
施主からは、非日常感のある建築にしてほしいとの要望もいただいていました。


山側の森を借景。
(写真:安達治)


海側の既存棟の屋根越しに海を借景。
(写真:安達治)


天に向かう上昇感を持たせた室内空間。
(写真:安達治)


■厚別のCUBE

住宅街に建つ家です。
庭を「借景」として全面に生かす部分と、プライバシーを考慮し、半透明のスクリーンで視線を緩衝しながら、光と風は透過させる「光庭」「坪庭」を併せ持つのが特徴です。
周辺環境との関係を少し「閉じる」ことで、人が自身の内省に向かうことも期待しました。


1階のLDKからは庭を借景。
2階の半透明スクリーン部は3つの個室が面した「光庭」を、右手の半透明スクリーン部は浴室に面した「坪庭」を形成する。
(写真:酒井広司)


「光庭」には、人を自身の内省に向かわせることも期待した。


「借景」は建築が周辺の環境に対し「開く」ことが前提ですが、「閉じる」という操作とのバランスによって、瞑想(めいそう)的といえるまでに昇華された空間が創出されることもあります。
今後チャンスがあれば、そのような空間にも挑戦したいと思っております。


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2009年06月30日

住宅の窓といって想像するのは

住宅の窓といって想像するのは一般的には一つの部屋の南面、あるいは個室だと一つの窓が壁の真ん中あたりに付いている風景でしょう。

しかし、窓(開口)といってもいろいろな種類があり、また光、風、外気(換気)、景色などさまざまな機能が考えられます。
光は季節により太陽高度が変わりますし、風も方向が変わります。
また、外の景色を室内にどのように見せるか、などこれらのことを考えるだけで窓の位置や大きさ、方向などさまざまな検討が必要になるのです。
 
日本の建築は、古来より庭や光の関係など、外との繋がりを大切に計画してきました。
その意味でも窓は住むうえで重要な役割を担うことがお分かりいただけると思います。
 
私たちが暮らす北海道は、明確な四季と澄んだ光に満たされています。
ここでは私が設計した住宅をケースに話をしたいと思います。


・空を室内に入れる
この住宅の玄関ドアを開けると、室内に入ったはずなのに、また外にいるような感覚になります。
南面を隣家にふさがれ、敷地を見た時は日陰のイメージが強く、オーナーも「明るい家」を希望されました。
敷地は東西に長く、南面には隣家がせまっています。
そこでこの住宅は南面の窓(開口)を一切作らず、その代わりに南面屋根に巾1.8m長さ14mにわたる天窓を計画しました。
その下は土間のような廊下となり、全ての部屋はこの空間と繋がっていて、2階のLDK はさながら外部のデッキにいるような感覚です。
太陽の光はもちろん、青い空や星や月、雪や雨、常に自然の恩恵を存分に味わうことができます。


屋外デッキのようなLDK


一階玄関と土間廊下


・自然環境を享受する
こちらは札幌市の藻岩山の傾斜地に建つ住宅で敷地の南面に生えている自然木を住宅の中に取り込む計画となっています。
各室はスキップフロアとなっており、奥の部屋にいてもその自然が味わえるよう、床のレベルをズラしています。
室内には四季折々の楽しみが待っています。


樹木を取り込む大窓


スキップフロアの構成


・前面に広がる海原を見て暮らす
道南の伊達市に計画されたこの家は、海に沿って長さ40m奥行6mの超長方形の土地に建てられています。
この家の計画は各室はもちろん、トイレのはてまで噴火湾の海に面するように配置されています。
家の長さは30mで、リビングと寝室が両端に配置されていて、20数mを行き来します。
 
海側の開口は緩やかに湾曲しており、部屋により景色が微妙に変わります。
これらは各部屋の特徴となります。
また接道面の地窓を開けることによりさわやかな風が通ります。


建物の向こうに広がる海


20数mの廊下と地窓


・立体的に自然と光を楽しむ
この家は私の自邸兼仕事場です。
旭山の中腹に計画したものであり、土地は傾斜地です。
そこに三層の床をつくり、それぞれの階から有効な光と自然を手に入れようとするものです。
ここでは自然林や街を見る窓、光を取り入れるハイサイド(高窓)など役割を分けています。
さまざまな場所で風景や光の取り込みの違いにより小さな住宅でも多様な空間を体験できます。


建物の間を通して見える向こう側の自然


光を制御するハイサイド


・閉じながら開く豊かな空間
旭ヶ丘に建つこの住宅は、一見窓が見当たらない外観で、木の壁に覆われています。
これは、この周辺の状況から快適に暮らせる内部空間をつくるために考えられた解答でもあります。
実は建物の周囲に全長108mものスリット窓があり、四季の光の制御はもちろん、どの部屋からもこのスリットを通して豊かな樹木を観賞することができ、深い森の中に包まれているような感覚が得られます。


樹木に包まれた外観


自然光の降り注ぐリビング


スリットのディテール


断面図


・移動するガラスと壁が空間を変化させる
新琴似のポプラ通りに面するこの家は、一見にして他の住宅とは開口の形式が異なり、同じサイズのガラスと木の壁、そして換気窓の付いた壁の3 種類で全体が構成されています。
 
現在は互い違いにセットされていますが、同じサイズにした理由は移動ができるというところにあります。
つまりそのときの都合によって、壁とガラスの位置を変更できるということです。
 
周辺の状況の変化や内部生活の変化に壁とガラス窓が対応し、住宅の表情も変化します。
数年後は今とは違う表情が見られるかも知れません。


ポプラ並木と外観


キッチンから眺めるポプラ並木


パネルパターン


パネル(3種類)


・山々を見渡すスカイリビング
なんといってもこの家の特徴はノッポの外観と最上階のガラスBOX。
街中の狭小地に建つこの住宅は一階から三階を個室とし、四階に平面の約二分の一強をガラス張りとする開口で構成されています。
ここに広がる景色は普通の住宅ではお目にかけることのない視界が広がります。
中央区の住宅地で円山から藻岩山とその周辺をパノラマで見て暮らしているのです。
まさにスカイリビング、大きな木製引窓を開けると風が流れ今度はスカイデッキの感覚となります。


 


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くるりんポイ ブログパーツ

About 2009年06月

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